JR東日本の「大人の休日倶楽部」会員限定で購入が可能なお得な切符「大人の休日倶楽部パス」が2024年度の5月20日(月)の発売分(年度初回)から値上げされることになりました(利用期間は6月20日から)。
※東日本エリアの利用期間が今までの4日間から1日多い5日間になっています。
2024年度 大人の休日倶楽部パスの概要(大人の休日倶楽部会員サイト)
東日本エリアの新料金は19,800円
大人の休日倶楽部の会員サイトによれば、お得な切符「大人の休日倶楽部パス」の新料金は18,800円となっていますが、これは専用サイトの「えきねっと」から切符を購入した場合に限られます。
えきねっとを使って購入したことがある方なら使い方はご存じと思いますが、それ以外に今まで通り駅にある専用端末から操作して切符を購入したい場合には1,000円高い設定になってしまい19,800円になります。
なお、新料金でもえきねっとなら1,000円安く購入できるのは「東日本・北海道エリア」でも同じで、こちらの2024年度の価格は27,620円で「えきねっと」からの購入なら26,620円と購入が面倒な分、価格は据え置きになります。
ただし、こちらも購入者の立場としてはネットで手続きをして受け取りは駅の券売機という手間がかかるので実質的には値上げと認識して良いかと思います。
この限定切符の値上げは、国内でのインフレなどを考えれば少々の値上げは致し方ないと言えますが、東日本エリアの新料金については値上げ幅が大きすぎるように感じる人が少なくないでしょう。
従来価格15,270円と比べ否めない割高感
値上げ前に発売された利用期間2024年1月18日(木)~30日(火)『この期間内の4日間』の価格は15,270円でした。
単純に価格だけ比較すると東日本エリアの料金は15,270円から19,800円に値上げされたことになりますが、利用期間は従来の4日間から1日多くなり5日間となっています。
その値上げ幅は4,530円、率にすると29.6%(約3割)の値上げとなっていて、今までの燃料高騰や物価上昇分に併せ今後の分も見込んでしまったかのような値上げにも見て取れます。
これをえきねっと価格の18,800円で比べても、従来価格が15,270円でしたので3,530円(約23%)もの値上げになってしまっています。利用できる日数が増えたとしても増える負担感は否めません。
1日当たりの料金で比較してみる
ところで、この新料金の期間が1日増えた分に見合ったものなのか実際に1日あたりの単価で比較してみましょう。
限定きっぷの価格 | 1日あたり | 単価での比較 |
---|---|---|
従来価格 15,270円 | 3,817.5円 | – |
新設定価格 19,800円 | 3,960円 | +142.5円 |
えきねっと価格 18,800円 | 3,760円 | -57.5円 |
表にしてみると今回行われた料金の変更は意味深いものになっているのが分かります。
新設定された5日間の料金19,800円と従来料金15,270円を1日あたりの単価で比較しても142.5円の値上げになっています。
ところが、JR東日本が大々的に価格を表示している「えきねっと価格」の18,800円と従来価格を単価で比べると、なんと57.5円安くなっているのが分かりました。
えきねっとで大人の休日倶楽部パスを購入すれば実質1日あたり57.5円の値下げというわけです。
そして、1日あたりの料金として比較すると142.5円しか高くない。
しかも少々面倒な「えきねっと」で購入しちゃえば1日単価は57.5円安いよ!
誰かが寝ないで考えたのでしょうか仕組み的には実質値下げになっているとも見ることができます。
参考ページ
Web限定大人の休日倶楽部パスの購入方法がロールプレイングゲームなみだった
いずれにせよ「えきねっと」で購入しなければ値上げであることには変わりはなく、切符の価格は数千円高くなったのは間違いありません。
値上げの背景はやはり燃料費の高騰と物価高?
昨今の燃料費や経済状況を反映した上での価格設定だとすれば、納得するしかありませんが今まで感じていたお得感から比べると残念な値上げです。
また、この切符ではターゲットの多くがシニア層だということを考えると、今後期待できそうな賃金アップの対象などからは外れることになり、今回の値上げは収入アップが期待できない年齢層から娯楽の機会が奪われたような印象も避けられないことでしょう。
もっとも、ここ数年の間に新型コロナウイルスにより旅行業界が受けた影響は計り知れないものがあり、鉄道会社にしてもその損害は大きかったはずです。サービスを提供する側としては無難な対応なのかもしれません。
今後の対応に期待したいのは
残念ながら東日本エリアの料金が実質3割の値上げとなってしまった大人の休日倶楽部パスですが、私個人としては今までの利用実績から割引切符を充分有効に活用できてきたかなと思っています。
その分、今回の値上げ後は年間の利用回数を減らすことを考えています。
この先は、値上げされた価格を元に戻すのは難しいことでしょう。実施する企業側としても今回の値上げ自体が重い決断だったことでしょう。
そんななかで、今後の対応として個人的に期待したいのは料金そのものを値上げはせず元に戻し(15,270円)、利用できる期間を従来の4日間より短い3日間にしてみてはということです。
私のようなミドル会員の中には、土日を絡めても連続して5日間の連休(土日以外に3日間の休暇)を申請し取得するのは大変なかたもおられることでしょう。
ただ、大人の休日倶楽部パスはもともと時間に余裕がある大人(年齢層)向けのサービスだとういことを考えると、現役で働くミドル会員向けに日数を短縮させる内容の変更は割に合わないことも考えられます。
とりあえず2024年度に関しては、料金が値上げになるけど年3回これまでと同じ内容のサービスは継続されることについては一安心をしておきたいところです。
おすすめ記事
お得な会員限定切符「大人の休日倶楽部パス」2024年度の発売時期 大人の休日倶楽部パスこれまでの発売歴と期間《東日本版》 「えきねっと」で大人の休日倶楽部会員限定きっぷを購入(申込み)する方法