山形から新潟「特急いなほ」で車窓からみえる日本海を楽しむ旅

特急「いなほ」から見える風景

日本海が見える海岸線を列車で旅してみたい、その願いを日帰りでお得に、しかも快適な車両で叶えるならこれしかないと思ったのが羽越本線を走る「特急いなほ」です。

「特急いなほ」の車両は、以前に地震で東北新幹線が運行できなかった間に地元の東北線を走ったことがありました。

E653系いなほ正面 地震の影響で運行された東北本線の臨時快速が快適だった

その乗り心地の快適さと、オレンジ色の車両カラーが印象的でいつか旅行先でも乗ってみたいとも思っていたところです。

余目駅(山形県)から新潟駅まで特急いなほに乗る

特急いなほに乗って車窓かから日本海側の眺めを楽しむなら、新潟秋田間の全線を乗りとおすのが王道かと思われます。

しかし、今回は日帰りでの旅を予定していたので路線の区間を絞り込むことにしました。

庄内町にある余目駅

余目駅から「いなほ」に乗車

そこで狙いを付けたのが、中間点付近の山形県内にある余目駅から特急いなほに乗車し新潟駅までの区間の景色を楽しむというもの。(新潟からは上越新幹線で東京へ上り東北新幹線で帰路へ)

朝のうちに山形新幹線で終点の新庄駅へ向かい、陸羽西線に乗り換え余目駅まで行き特急いなほに乗れば午後の早い時間には新潟駅に着けるだろうという計画です。

このとき、実際には陸羽西線は工事のため運休になっていて代行バスに乗っています

羽越本線を走る「特急いなほ」から見える日本海

月山山頂の町

余目駅前には月山山頂の町と書かれている

いなほの停車駅である余目駅に到着後は、しばらく待ち時間があったので休憩がてら駅の構内で椅子に腰をかけ過ごすことにしました。

余目駅に入る特急いなほ

やや待ち時間のあとにホームに入り待っていたところに到着したのは久しぶりに見る「特急いなほ」の車両です。

停車後に開いたドアから乗り込んだのは自由席の車両。この日は土曜日で当日出発時に指定席を確保しようとしたら日本海側(進行方向右の列)の座席は既に埋まっていて、自由席に希望を残していたのですが、幸いなことに自由席に何席か空きがあり海側の席に座ることができました。

駅を出発した「いなほ」は、その名前の通り田んぼに囲まれた田舎の風景も走りますが、海が見え始めたのは思っていたより早くのことでした。

列車から見える日本海

「いなほ」の車窓から見える海

日本海の景色がすべてそうか分かりませんが、この東北から北陸に向かう鉄道の景色には特徴があって海岸線に沿ったわりと低い陸の上を線路がまっすぐ走っていて、その合間でところどころに岩場が見え波しぶきをあがっています。

ところどころ見える岩場

この似たような景色の繰り返しが旅をする人を飽きさせません。

列車は、海側に出た後しばらくして、また陸側を走り、また海に出て時には町の中の駅に停車しながらを繰り返し新潟駅に向かいます。

並走する国道345

新潟県村上市付近(隣は国道345)

事前に地図でチェックしたところでは海側の走行は少ないように感じていましたが、実際に乗ってみて自分的には十分満足できる眺めでした。

「特急いなほ」のカラーリングには「夕日・稲穂・海」のキーワードが設定されているとのこと。今回は、昼の時間帯の乗車でしたが車両から見える海辺の夕日はまた格別なことでしょう。

列車で楽しむ日本海の眺めは映画に似ている

人は旅行を楽しむ際に温泉地を目的にしたり、景勝地を訪れるための手段に車や鉄道を使います。

今回乗った陸羽本線の特急いなほは、その路線と車両の組合せそのもので旅の目的や楽しさを達成できる要素があるといっても良いのではと思っています。

私は、列車で楽しむ日本海の眺めは映画を楽しむのに似ていると感じます。映画はそのストーリーに興奮や感動がありますが、列車の旅は、そうしたストーリー展開はなくただ目先の景色を眺めるだけで気持ちに安らぎを感じられ落ち着けるといったメリットがあります。

もちろん、真冬の間は打ち寄せる波に荒々しさを感じたりといった日本海ならではの風景も展開されそういった季節ごとの展開も一つの楽しみ方でしょう。

このように列車に乗るだけで旅の目的を達成できるという点は、羽越本線を走る「特急いなほの」魅力の一つではないかと思っています。

今回は日帰りを前提に、山形(余目駅)から新潟にかけての乗車でしたが、その限られた時間で列車の車窓からの日本海を楽しむといった意味でも充分満足できる旅だったと言えるでしょう。

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