地震の影響で運行された東北本線の臨時快速が快適だった

E653系いなほ正面

2022年3月16日に発生した地震により新幹線が不通となっていた期間に臨時快速として運行されたのはE653系の車両。

JR東日本E653系の車両

福島-仙台間を新幹線の代替手段としてつなぎ役をしたくれた臨時快速の車両は、普段見慣れない東北本線の利用者の私にとって「変な色」。

福島駅にホームに入るE653系

この異色なカラーが、2度目以降の乗車では「なんか格好良いかな」に変わりました。

E653系の車両デザイン

E653系のクリーミーなオレンジ色が斬新すぎます。それを除けば普通列車にない先頭車両の微妙な流線型のフォルムに風格を感じます。

その先頭車両を眺めていると、この車両の形には変テコなオレンジ色が特に違和感を与えない魅力があるようです。

色違いの国鉄色

こちらは色違いの国鉄色。

乗り心地が快適な臨時快速

E653系の客席自動ドア

臨時快速に使われたE563系は、座席が特急車両と同じ形態でしたが東北線の臨時快速としては全て自由席扱い乗車券のみで乗れました。

臨時快速E653系の客席

座席もおなじみの普通車両と違って座り心地が良く眠気をもよおすこともしばしばです。

また先頭車両のグリーン席も同じく特急券も指定席券もなしで乗車できたことから運行期間中は特別に好評だったようです。

E653系臨時快速のグリーン車の車両

グリーン車のマーク

私も一度だけグリーン席に乗車しました。(この時の車両は国鉄色)

E653系グリーン席の仕切り

前の席との仕切り

グリーン車の座席は、前の座席の椅子との間に間仕切りが設けられ、わりと高めに空間が隔てられています。

まだ新コロ第6波の中でしたので、距離の確保という意味ではグリーン車はプライベートの確保以外に別な役目も果たしてくれていたようです。

停車駅は白石蔵王、福島

E653系いなほ正面

仙台駅でのE653系臨時快速画像

このE653系が運行されたのは、通常は各駅停車が走る普通列車の区間。

当初、福島より東京寄りの郡山駅まで運行されていましたが、東京-郡山間は先に再開されたため、その後は福島-仙台間の運行に距離を短縮し全線開通までの間運行がなされました。

以前は、福島-仙台間に快速列車が走っていましたが2020年頃に新型コロナの影響で利用者が減少したことから廃止になり、その後快速は運行されていません。

仙台福島間を臨時の快速が走ってくれたことは、日頃普通列車の利用が多い者にとっても魅力的でした。

従来あった快速より停車駅が少なく、到着時刻はそれほど短縮されないものの終点までの利用であれば駅毎の停車の少ない臨時快速は、慌ただしさのようなものを感じさせません。

その後復旧した新幹線

福島駅に停車するE653いなほ

JR東日本のE653系車両が東北の路線を走行するのは鉄道FANも喜ぶほど希なこと。

この臨時快速が運行されたのは4月13日までで、その翌日14日には不通だった新幹線が東京まで全ての区間で再開通されました。

脱線事故はこれまでに例のない長期の普及時間を要しましたが、E653系車両に乗って鉄道での移動ができたことで、旅の面白さを新たに発見したようにも感じます。

また、東北本線での乗車中にE653の座席から外を眺めていると、カメラを手にした鉄道ファンを度々見かけたのと、親に抱っこされた小さい子供が車両に向かって手を振ることもありました。

南東北の路線をピンチヒッターで走った正に異色の車両へ向けられた関心は高かったようです。

臨時快速を利用した者としても普段見かけないフォルムの列車に乗れるのは鉄道に感じる非日常感を増幅してくれるものでした。

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